インドネシアには地域ごとに慣習法や宗教に基づいた結婚式のやり方があります。 |
バリ島の結婚の慣習は住民の大半が信仰しているヒンズー教徒ときっても切れない関係がある。 |
芸能や文化的価値感以外にバリの結婚儀礼には宗教的要素が反映されており魅力的なものとなっている。バリの慣習的結婚式を行うためにバリ島に訪れる観光客も少なくない。 |
ローリングストーンズのボーカリスト、ミックジャガーが1989年にバリのウブドでバリの慣習に則った結婚式を行ったことは良く知られている。 |
バリ人が行っている慣習的結婚儀礼はこうした観光客が行っている結婚式と果たして同じものなのか?もちろん異なっている。 |
ヒンズー教徒であるバリ人にとって結婚は単に二人が合意に基づき結婚関係を結ぶだけのものではない。 |
ヒンズー教徒は、人生を四住期(チャトウール・アーシュラマ)と呼ばれ、四つの段階に分けられる。 |
結婚は人生にとって重要な目的の一つである。 |
第一段階は学生期(ブラフマチャルヤ)と呼ばれ、知識をできるだけ多く蓄積する時期である。 |
次の段階は家住期(ガールハスティヤ)あるいは家庭を形成する時期であり、それが結婚ではじまるのだ。 |
残りの二つは林行期(ヴァーナブラスタ)と遊行期(サンニャーサ)とよばれ、人生の最後、つまり解脱を目指し、世界との関係を少しずつ断ち切っていくのである。 |
家住期(ガールハスティヤ)において結婚は人生最大の意味を持つ。 |
マナワ・ダルマ・サストラ(Manawa
Dharma Sastra)には結婚の宗教的な意味と義務が書かれている。 |
結婚あるいはウィワハは生まれてくる子供たちや子孫が先祖の業を紛々にし、この世に生まれ変わるきっかけとなると考えられているため、盛大に行われる。 |
ヒンドゥー教によると結婚は神への奉仕であり、その存在と繁栄を守らなければならない家住期への入り口でもある。バリの伝統では結婚は二つの道がある。 |
第一は両者の関係がすでに親密でいい関係を作り上げており結婚するのに何の障害もないというものだ。もう一つは略奪婚だ。 |
この方法は一方、もしくは双方の家族が結婚を反対している場合に取られる道だ。問題は様々な理由で起きるが、例え祝福されなくとも、結婚は愛に基づいて行われ、双方ともバリで正規の方法として認められている。 |
バリの慣習では一連の結婚の儀礼はすべて男性側の家庭のところで行われる。 |
また、結婚の申し込みも男性側の親族が女性側の家庭に対して主導権を持って行う。 |
また、求婚が終わると両家の親族が集まり結婚式の日取りなどが決められる。 |
結婚式の日程は事前に男性の親族がすでに連絡を取っていた僧侶が最適の日取りを決める |
バリの慣習によるヒンズー教の結婚式は、メカラン・カランという一連の儀式の中に位置している、 |
まず新郎新婦が敷地の門のところで自分たちに関わる悪いものを払い落とすための挨拶をシンボリックに行う。 |
続いてマビャカラという儀式が行われる、これは男性に精子と女性の卵子が胎児になるための両者の心身清めの儀式である。 |
マビャカラに続いて様々な儀式が行われるが、たとえばプンルカタン、ムルワ・ダクシナ・バンテン・ペサクシ、マダカンーダガンガン、などを経て新郎新婦は家住期(ガールハスティヤ)に入るためにパペガタンの紐を切る。 |
最後の儀式はマペジャティ(承認)だ。新郎新婦は祈りを捧げナタプ・バンテン・ウィディ・ウィダナとミジャヤ・ジャヤの儀式へと続く。 |
この儀式は住民に証人になってもらい、神の前でこの結婚を証人してもらうためのものだ。これで晴れて二人は正式に夫婦となるのである。 |
さらに二人は証人と役人の前で婚姻届にサインをする。 |
バリの慣習に基ずく結婚式で重要なのは、それそれの儀式がヒンズー教と密接なつながりがあることだ。 |
だからバリの正式な慣習結婚式は、慣習的儀礼とヒンズー教がコインの裏と表に用に分かつことができないのである。 |